老人ホームで行われるクリスマス会について

老人ホームでは入所している高齢者に四季などの季節を感じてもらう目的で、季節に応じたイベントを行うことが多いです。その中でも特に規模の大きいイベントとして行われることが多いのが、クリスマス会ですよね。そこで今回は、老人ホームで開催されるクリスマス会がどのようなものなのか、その内容や意図について紹介していきます。

老人ホームでクリスマス会をする目的

クリスマス会と聞くと小さな子供や若者が開催しているイメージが多いですが、老人ホームでも定番の季節イベントとして開催されることが少なくありません。そもそも老人ホームでクリスマス会を開催する目的としては、まず入所している高齢者に季節を感じてもらうというものがあります。

老人ホームに入所している高齢者は施設内で過ごす時間が長く、高齢者の状態によっては外出することが難しい場合も多いです。そのため季節を感じられる機会が少なく、ずっと同じような環境で生活することで閉じこもりがちになって意欲低下を起こしたり、認知症がある場合は症状が悪化してしまうケースも少なくないと言います。

このためクリスマス会のように季節を感じるイベントを開催することで四季を実感してもらい、若い頃やクリスマスの出来事を思い出すきっかけにして脳を活性化させるのです。ほかにもクリスマス会は入所している高齢者や老人ホームのスタッフ以外にも、ボランティアで催し物をしてくれる人や高齢者の家族を招待するところもあります。

このように第三者や家族を呼び込むきっかけにして社会的なかかわりを持たせたり、家族との交流を増やすことも目的の一つです。家族を呼ぶことに関しては、高齢者の現状を見てもらいながらスタッフとの情報交流にするなどの目的もあります。

老人ホームのクリスマス会ではどのようなことをするのか

そんな老人ホームでのクリスマス会のプログラムとしては、主に特別食の提供やゲーム、スタッフやボランティアによる出し物が挙げられています。老人ホームでは普段からイベントごとがあるとそのイベント内容に応じた特別な食事が提供されるところが多く、老人ホームによってはスタッフが手作りするということもあります。

手作りする際にはスタッフだけではなく高齢者が一緒に手伝って食事を作るという場合もあるので、一つの作業レクや家事レクの一種として行われているようです。メニューに関してはクリスマスにちなんだものが提供されることが多いようで、クリスマスケーキなどの特別なデザートをオヤツの時間に提供することもあります。

また老人ホームではレクリエーションを積極的に実施しており、クリスマス会でも様々なゲームやレクリエーションが計画されています。通常のレクリエーションやゲームとは違ってクリスマスプレゼントとして景品がついていることも多く、高齢者全員に配ることができるように老人ホーム側が準備します。

このため開催されるレクリエーションやゲームは高齢者や家族が全員で楽しめるようなものが検討され、難易度も高齢者に合わせて調整されているようです。ほかにもスタッフやボランティアが計画・練習した出し物を行い、クリスマスのムード作りをすることもあります。

老人ホームのクリスマス会でおすすめのレクリエーション1:ビンゴゲーム

大勢で集まるイベントでは定番のレクリエーションとして知られているビンゴゲームは、ルールがシンプルなので老人ホームのクリスマス会でも行われることが多いです。ポイントはどのような状態の高齢者でも参加することができる点で、普段から自分のことがある程度できる高齢者はもちろん、車椅子の高齢者や寝たきりの高齢者でもスタッフが仲介することで参加できるように配慮しやすくなっています。

ルールがシンプルであることから認知症など理解度が低下している高齢者でも参加しやすいです。さらに全員に景品を渡すこともできるため、手軽にできるレクリエーションとしてクリスマス会のプログラムに含まれることが少なくありません。

ビンゴゲームの準備は市販されているものを利用することができるほかにも、自分たちでも準備しやすいところがメリットです。このため高齢者の理解度に応じて難易度を変更することができますし、目が見えにくい高齢者に配慮して数字などを大きくしたものを準備することもできます。

老人ホームのクリスマス会でおすすめのレクリエーション2:歌

老人ホームの高齢者が全員参加しやすいクリスマス会のレクリエーションとして、歌が利用されることは非常に多いです。歌の内容はクリスマス会であればもちろんクリスマスや冬にちなんだものがチョイスされ、童謡や歌謡曲の中から高齢者が知っていそうなものが選ばれます。

そうして全員で歌を歌うことでクリスマス会の雰囲気作りができるだけではなく、頭や口を動かすことで誤嚥予防などの効果も期待することができるのです。また歌を歌うことで昔を思い出して気持ちを安定させることができるなど、高齢者によって良い効果が期待できるレクリエーションとして人気が高いですよね。

ボランティアで参加した人たちにも協力してもらえば、より歌う曲のレパートリーを広げることもできます。またボランティアで小さな子供と一緒に歌を歌えばより高齢者も楽しくクリスマス会に参加できるので、スタッフだけではなくボランティアの協力を検討している老人ホームは多いようです。

老人ホームでのクリスマス会の注意点

老人ホームで生活している高齢者の中には、クリスマスという行事にあまりなじみがないというケースが少なくありません。そのためクリスマス会を開催してもあまり乗り気でなかったり、スタッフばかり盛り上がって高齢者たちが楽しめないという可能性があります。

このような点から老人ホームでクリスマス会を開催する時には、事前にクリスマスがどのような行事であるのかを理解してもらい、高齢者でも楽しめるようなプログラムを検討する必要があります。特にペースやテンポの早いレクリエーションや出し物は高齢者がついていけない可能性があるので、できる限りゆっくりとした内容で高齢者たちが疲れないように配慮することが大切です。

クリスマスを楽しんでもらうための老人ホームでのクリスマス会

老人ホームでのクリスマス会は、季節を感じてもらうだけではなく地域や社会、家族との交流の場としての役割があります。ただ高齢者の中には、クリスマスという行事にあまりなじみがない人も少なくありません。このためクリスマス会のプログラムはできる限り高齢者のペースやテンポに合ったものや、全員が楽しめるものを検討する必要があるのです。